目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】 中野剛志 2019 KKベストセラーズ



経済学の新常識!!貨幣の概念が180度変わるMMT論者の話題作



先週紹介した異端の官僚、中野剛志氏の話題作。貨幣とは何か?私たちの多くは貨幣の本質を知らずに貨幣経済の中で生きている。しかし、それではいま日本で陥っている恐るべき状況を正確に理解することは出来ない。



中野氏は経済産業省の官僚でありながら、イギリスで政治思想史の博士号取得し、京都大学大学院にて准教授を務めるといった異色の経歴の持ち主で、自身が所属する経済産業省だけでなく、官公庁に対して歯に衣着せぬ主張を展開し、常に注目されている論客である。



本作は、昨今話題となっているMMTの理論のもとになっているお金は負債の一種であるという信用貨幣論を軸に展開されており、そこから日本がデフレ期の日本がこれまでとってきた政策を批判している。経産省の現役の官僚ながらお金の本質、税金や財政赤字の本質に切り込み、現在、政策の中枢となっている主流派経済学者の理論を批判している。


これまで、財政赤字や増税などに曖昧なまま政治家や有識者の言うことを真に受けていたひとにはぜひ読んでいただきたい。主流派と中野氏のどちらがあっていて、どちらが間違っているのかはおそらく誰にも分からない。ただ、少なくとも、経済政策を考えるうえで基礎になる考えのうちの一つであることは間違いないだろう。

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