隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働 ルドガー・ブレグマン

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働 ルドガー・ブレグマン(訳 野中香方子) 文芸春秋 2017



次世代を担う世界的論客が語るAIと人類のこれから



さて、日本の政治の本ばかり取り上げているとどうしても私の趣味嗜好で偏ってしまうので、ここでひとつ味変をしましょう。ルドガー・ブレグマン著の隷属なき道です。


おそらくこの著者を知っている人はあまり多くはないのではないでしょうか。ちなみに私もこの本に出会うまでは知りませんでした。簡潔に説明すると、オランダ出身のジャーナリストで広告収入に一切頼らないジャーナリストプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創立メンバー、様々なメディアで取り上げられている世界的な論客。


この著者の主張は明快でとても明快でこれから人類はAIに仕事をまかせて幸せを追求していくべきで、国や世界はそのための制度としてベーシックインカムを導入するべきであるという主張です。その主張の補強するためGDPの欠陥や国境についての持論を展開しています。個人的にベーシックインカムという制度は議論の俎上に挙げるべき制度であると思っていますが、ブレグマン氏の主張はさらに国境の廃止や現代社会の才能の無駄遣いなど踏み込んだ主張まで展開しているので大変興味深いです。


主張を曖昧に終わらせるのではなく、自身の理想を具体的な数値と共に主張する姿勢はだれしも見習うべきでしょう。必読ではありませんが、ベーシックインカムについて導入派の主張を聞いてみたい人にはぴったりの一冊です。

※画像はAmazonから引用

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